看護学校

社会人から看護師へ3

通信制の看護学校を選んだわけ

 私が看護の仕事をしてみようと考えたのは、自身の経済的不安が主な理由でした。そのため、准看護師免許を取得後にすぐに高看(正看護師)の学校に進むには迷いがありました。看護師を続けられるかも分かりませんでしたし、当時は進学するためのお金もなく、奨学金を借りるのもためらいがあったからです。雇用保険の加入期間も助成金をもらうには足りていませんでした。

 そのため一旦就職してみて、この仕事なら続けることができると思えたら、進学しようと思っていました。それから2年ぐらいは病棟看護師として働きました。この時に自分の生活はこれでいいのだろうか、と考えるようになって看護の仕事と距離を置きたいと考えていました。この時はまだ一般の会社の方が良いなあと感じていました。それから、約1年半は就職先をさまよっていました。結局良い就職先も見つからず、病院に再就職しました。再就職をしてからは、看護師を続けていくことになるのだろうと何となく感じるようになり、進学の事を考えるようになりました。

 ただ、実習にはあまり行きたくないという思いが強く、通学での進学は考えていませんでした。准看護師は看護経験(就職期間)が7年(以前は10年)以上あれば通信制で実習の期間も少なく、免許が取れるという制度があり、これだったら行けるのではと思っていました。

実際に進学する際に考えた事は次の三つです。

1.放送大学の単位を取得する学校を選ぶのか。

2.学費の面では雇用保険の助成金を受けることが出来るのか。

3.実習期間や学校に通う日数はどれくらいなのか。

 まず、1についてですが、通信制の看護学校は単位取得に放送大学の単位を28単位~32単位取得して下さいというところもあります。放送大学の単位をどのぐらい取得するかは学校により決められています。私が在籍していた学校では28単位必要でした。逆に、学校独自のカリキュラムがあるため、放送大学の単位は必要ないという学校もありました。後者の方がお金の節約にはなるかと思います。放送大学の単位取得には放送大学の学費が別途必要になるからです。しかし、時間がない方や余裕を持って勉強したい場合は放送大学の単位取得をしておいた方がお勧めです。

 私の場合は、看護学校に入学する半年前に放送大学に1年の学生として入学して、まずは14単位取得しました。同級生の中には入学時点で28単位取得済みの方もいらっしゃいました。

 注意点としては、放送大学は春と秋の入学があります。出願期間は放送大学のWebページを検索してご参照ください。学生の種類は4種類あるのですが、通信制の看護学生としては科目履修生(半年間の在籍)か選科履修生(1年間の在籍)を選ぶのが一般的かと思います。

 通信制の看護学校は全国的に少なくなっているのが現状です。看護経験(就職期間)が7年以上の方で、通信制の看護学校に進学を考えられる方はお早めに進学された方が良いかもしれません。

 次に2の学費についてです。私が通っていた2020年当時は教科書代や授業料含めて90万円~110万円程度の学費(2年間)の学校が多かったです。私の学校では約90万円+放送大学の学費(約17万円)でした。

 准看護師から正看護師になるためには通学の学校もあるのですが、そちらの場合は2年または、3年間で200万円程度の学費がかかります。通学制の学校の方は全日制か夜間か隔日により年数が違います。

 雇用保険の助成金については、専門実践訓練教育給付金という制度により学費の50%または70%をもらえるという制度です。雇用保険の加入期間が2年(初めての受給の場合)または、3年間以上あれば受給できる制度になります。ただし、過去に教育訓練給付金を受給した事がある場合は支給要件が変わるようです。詳しくはハローワークで尋ねるか、厚生労働省の教育給付金制度について調べてみて下さい。

 また、学費の50%か70%の支給というのは、70%もらうには資格をとって、学校の卒業から1年以内に被保険者として就職した人は50%に20%上乗せされるという形になります。資格をとっても1年以内に被保険者として就職しない場合は50%の学費しかもらえないということです。

 学費とは、どこまでを含むのかという問題もあります。私の場合は、入学金と授業料と施設費ぐらいだったと思います。約57万円(70%の支給で)私は頂きました。放送大学の学費や教科書代は学費には含まれませんでした。

 最後に学校に通う日数についてです。私が入学した時期はコロナ禍で、ほとんどの授業がzoom(オンライン)で行われました。本来は通信制でもスクリーニングといって通う日にちが設定されていました。私が行った学校は約60日もないぐらいでした。学校によっては、コロナが流行る前からオンラインが中心というところもありました。また、実習については領域ごとに2日間の実習がありました。本来は病院などでの実習になるのですが、オンライン実習となったものもありました。

 私は准看護師の実習で、もう実習は嫌だなあと思っていました。通信制は実習が少ない上にほとんど見学実習というところも良いところだと思います。全く大変じゃないわけではないですが、一つの領域で何週間も行かなければならない実習に比べたら本当に良かったなあと思います。

 コロナは職場でも実習先でも大変でしたが、看護の在り方や医療について深く考える機会にもなったような気がします。もし、私のように准看護師から正看護師を目指される方の一つの道しるべとなりましたら幸いです。

-看護学校

Verified by MonsterInsights